【後輩への厳しい指導】
- 2009年6月25日 09:39
今回も執筆させて頂きますパソナフォーチュンの井上です。前回は「いらっしゃいませ」や「ありがとうございました」と言ったり、ドアを開けたりという"当たり前"接客について、その意味に疑問を投げかけてみました(前回コラムを参照下さい)。今回はこの"当たり前"接客について考えてみたいと思います。![]()
【後輩への厳しい指導】
先日、チェーン展開をしているある飲食店でランチを食べていました。すると、ホールで接客をしていた男性スタッフAさんに対して調理をしている先輩スタッフBさんが説教を始めました。
B「Aさ~ん、な~んでさっきのお客さんが入ってきたときに、すぐに、いらっしゃいませって言って、席に案内しなかったの?」(おっ!?説教が始まったぞ)
B「はい、すみません。」
B「サラリーマンの人ってさぁ、ランチの時間ってすっごく大事なんだよ~。1時間っていう限られた憩いのひと時をあなたの接客態度ひとつで台無しにしちゃったらどうするの~?あなたもわかるでしょ?」(いいこと言うじゃない)
A「はい、すみません。」
B「変わりにCさん(ホール担当の女性スタッフ)がすぐに接客してくれてたよね~。彼女の方があなたより若いんだよ。そんなこともできないようじゃ、ホールの仕事なんて出来ないよ~。」(ほぉ~、結構厳しいこと言うな~)
A「はい、すみません。」
と、このような会話が交わされていました。
【満足と不満足】
人間は満足の指標と不満足の指標が一つの線上に配置していないと言われます。つまり、
不満足大 ⇔ 不満足小 ⇔ 0 ⇔ 満足小 ⇔ 満足大
ではなくて、
不満足大 ⇔ 不満足小
満足小 ⇔ 満足大
というように、別の線上に位置しているということです。これは、人事制度を構築する際に人間の本質的な価値判断の前提条件としてよく用いられる考え方です。
"当たり前"接客をされても、文字通り当たり前ですから、満足度はアップしません。しかし、当たり前の接客をされなければ不満足度はアップします。先輩BさんはAさんに対して、いわゆる"当たり前"接客についての説教をしていましたが、お客様の不満足度をアップさせないように!と注意をしていたことになります。
顧客サービスを考える際に顧客満足(CS)という言葉がよく用いられますが、実はまず重要なのは顧客不満足の方だったりします。なぜならば、満足度は顧客にとって無限に望ましいもの(大きければ大きいほど嬉しい)ですので満たし切ることはできないですが、不満足度は一定のレベルを超えると、顧客では無くなってしまう程の決定的なものだからです。
例えば、料理がとっても美味しけど、お皿やコップが汚れていたら?お店のレイアウトや照明にとってもこだわりのあるお店だけど、スタッフが無愛想だったら?立地が良くて入りやすいけど、料理が出てくるのが遅かったら?
もし、顧客満足度を上げようと努力しているオーナーさんや店長さんがいたとしたら、まずは足元の顧客不満足度を上げないための教育をスタッフに施した方が良いでしょう。しかも、その方が簡単ですし。だって、"当たり前"ですから。
ところで、この満足と不満足の価値観は人それぞれ違います。例えば、前回のコラムで書いた中国の例をとると、中国人にとっては日本の"当たり前"接客は不満足度ではなく、満足度に影響するものです。つまり、"当たり前"ではないわけです。このようなことは世代によっても、都心か地方かによっても異なります。
つまり、ターゲット顧客が誰かによって、接客方法も、スタッフへの教育方法も異なってくるということですね。的外れなスタッフ教育をしないためにも、スタッフに理解しやすくするためにも、この考え方は大切だと思います。
ちなみに、私がランチをしたお店での一連の説教、先程は簡略化しましたが、実際は延々10分以上続いていました。私が食事をしている間ずっとです。もちろん、不満足度が一定レベルを超えたのは言うまでもありません。(私の憩いのひと時が・・・)
皆さん、部下や後輩への指導はお客がいないところでやってくださいね(^_^)
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