おいしい焼酎講座 第43回~与論献奉はいま・・・~
- 2010年7月10日 09:14
九州、沖縄といえば「楽しくお酒を酌み交わす」文化で有名です。鹿児島で伝わる「ナンコ」と呼ばれる棒の数を当てっこして飲み合うものや、宮古島の「オトーリ」、そして与論島の「与論献奉(よろんけんぽう)」です。どれも「主(あるじ)」や参加者同士で酒を飲み合い、親睦を深めることが目的ではあるのですが、何せ蒸留酒のアルコール度数はビールなどと比べれば高め。25度の焼酎ストレートや、泡盛で33度の度数でグビグビ飲んでいたらやがて皆潰れてしまいます。いまやお酒の強要はご法度でありますし、飲酒運転のもちろんダメですから、これらの文化は今の時代に少し馴染みづらくなってきております。
そんな中、これらの文化を見直すような動きも少しずつあるようです。例えば、回し飲みは参加人数の分だけ親子関係(ということは、6人で飲むなら、6名×6回親子=36回の回し飲み!)をやるのがルールなのですが、1周で終わらせたり、アルコール度数は20度の低めの焼酎が予め作られていたり、信仰を深める文化を活かしながら、今の時代にあわせて変化をする。島々の長い歴史の中で育まれてきた文化も、多くの文化と衝突、融合しながら、こうして脈々と文化が息づいていると思うと少し嬉しいところでもありますね。(島ではかつて、酔いつぶれた島民が道端に倒れこんでいて、それでも平均気温が高いため、凍え死ぬことはなく朝まで...なんてこともあったそうです)
先日は与論献奉を授かる機会に恵まれ、酒豪の私も意気揚々と準備万端でみましたが、いまはかつてのような「飲み合い」よりも「乾杯」程度の挨拶としての儀式に落ち着いているとのこと。見ず知らずの人とも盃を酌み交わし、楽しくお酒を飲めるという点においては、これからも時代に合わせながら残っていって欲しい文化でありました。強要はダメですが、こうして酒を「酌み交わす」という文化、どうも見ず知らずの人とは無関心、無関係になりつつある今の社会においては、少し見習っても良いかもしれません。お店で乾杯がわりにイベントやお客様同士のきっかけづくりに、何かよい接点作りができれば、お店の雰囲気もとても明るいものになりますね。今回、島で飲んだ焼酎は黒糖焼酎で、与論島で唯一の有村酒造が造る「有泉(ゆうせん)」。機会があれば是非一度ご試飲を!
株式会社味香り戦略研究所 ソリューションサービス部長 菅 慎太郎
SSI認定焼酎アドバイザー。
鹿児島大学ルネッサンスアカデミー(焼酎学講座)経営管理コース講師。
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