酒場視考~「スタイル」と「ニオイ」~
- 2010年3月 9日 15:00
退店する店があれば、出店する店がある。こんなことは以前からわかっていたのですが、特に最近の居抜き物件を利用した新店オープンを多く見ると強く感じてしまいます。オーナーや業態が変わって人気店となった例や、やはり続かずにまたオーナーチェンジとなったり、結果も様々ですが全体の数はやや減少とはいえ、それを感じさせない数の出店を見かけます。
一方、長続きの店、いわば古典系居酒屋といえるのでしょうか、でしっかりと頑張って賑わいを見せている店も多くあります。最近、東京の西や東へとリサーチの機会が増えて、新店をマークしているのですが、実はその街にある古典系に気がひかれることが多くなっています。何件か積極的に入って見るのですが(結構入りにくい雰囲気のお店もあります)居心地が結構良くてついつい長酒をしてしまうことも少なくありません。
基本的に小さな居酒屋がほとんどですが、気がつくとそこには長年に亘って築かれた「スタイル」がしっかりと存在し、提供されています。地元の方たちにとっては当たり前の日常なのでしょうが、周りの空気感を楽しみながら過ごす時間は独特でその店ならではの「ニオイ」(このお店で呑んでいるという確かさ)を感じます。
この「スタイル」と「ニオイ」によって常連性が伴い、お客様とお店の共鳴関係が高まっているのではないでしょうか。P/A依存度の高いオペレーションで展開される店舗業態では「スタイル」の提供があっても「ニオイ」の要素はなかなか感じられないことが多いと思います。
「スタイル」はカタチではなく想いです。また、「ニオイ」はそのお店がもつメッセージといっていいかも知れません。お客様を楽しませる、そして店主(スタッフ)もそれを楽しむ事が出来る店力があってこそ感じられる要素なのでしょう。個店志向が強まる中、カタチだけの個店も見られます。お客様に来てもらう店ではなく、通ってもらえる「スタイル」と「ニオイ」を持つ店が本当の意味での個店であり、これからの新・古典系となるのではないでしょうか。
(有)スーパーゾーン:佐々木 聡
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